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ボクは目を閉じたまま胸に手を置く。ドクンドクンという心音が、身体中を蹂躙している感じで何とも心地よい。
やはりボクは曽根川くんが好き。
そう確信し、ボクは目を開いた。視界には相変わらず藤堂くんと語らう曽根川くんの背中が見える。あの心許ない背中さえ愛しく見えるボクは末期なのかな?
「どうしたの愛流? にやにやしちゃってー?」
「そ、そんなことないよっ!」
やばい。曽根川くんのことを考えているだけでにやけてしまうとは。確実にボクの顔は火照っていた。だって顔が熱いんだもん。そんなことを思いながら再び視線を馳せた刹那――
「――っ!?」
藤堂くんがボク達の方を指差したと思ったら、曽根川くんまでこちらを振り返った訳で……。
ボクは思わず目を逸らしてしまった。
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