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「次の定期試験は来週末に行うからな」
帰りのホームルーム。無機質にも聞こえる先生の言葉に、何か途轍もなく重いものが僕にのし掛かってくる錯覚に陥った。
年に数回執り行われる定期試験。それが約十日後に迫っている事実に胃がキリキリする。心なしか、周囲の視線が僕に注がれているのも相俟って吐き気すらしてきた。
前回の定期試験の時に先生が、次に発現出来なかった場合は退学処分になるかもしれない、と言っていたのが頭をよぎる。
そのことをまだ秋人くんには伝えていない。正直な話、伝えた後が怖い。
唯一の支えでもある秋人くんが、伝えたことで僕から離れて行ってしまいそうな気がして、どうしても憚られる。
「どうした? 顔色が悪いぞ?」
「秋人くん……」
ハッとなり顔を上げると、心配そうに覗き込む秋人くんがいた。僕が苦悩している間にホームルームは既に終わっていた。
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