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何がボクの心にここまで響いたのだろう。ただ声を聞いただけ、……な訳はないと思うのだけれど。
このまま何事もなかったかのように帰るのも何だかすっきりしないので、少しだけ探してみようかな。うん、本当に少しだけ。
いや、別にボクは声の主に興味がある訳じゃないんだからね? 本当だよ!
まあ、そうと決まれば話は早い。さっさと声の主を探し出して、一目見たら直ぐにでも帰ろう。胸の前でグッと両拳を握り、小さな決意を胸中に固める。
「――雷光で貫け、ヴォルテックス!!」
刹那に響く声。そんなに遠くない位置から聞こえてくる、少しソプラノの入った高い声。そして連続的に聞こえて来たのは……爆発音?
あれ、何で爆発音が? 確かヴォルテックスは雷属性の初級魔法で威力はそこそこ、攻撃形態は直線状に迸る雷撃。爆発などはなく、一瞬にして的を塵に帰す無音に近い魔法だった気がするのだけれど。
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