透けた下着の巻

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 しばらくのあいだ沈黙が続く。佐藤さんが1つあくびをするのとともに石川は口を開く。  「ちょっとトイレ借りていい?」  「どうぞー」  「大石、お前も一緒に来るんだよ」  石川は僕の腕を掴む。  「なんで僕も行くんだよ!」  「うちのトイレ1人しか入れないよー」  佐藤さんはのほほんと言った。  「いやあー、お構いなく。さっ! 行くぞ!」  仕方なく僕は石川とともにトイレの前に行く。  「どうしたんだよ。僕は男といっしょにトイレに行くのは学校のときだけって決めてるんだよ」  「どうしてそうなるんだよ? 俺だって嫌なんだよ! ただ作戦どうりには行かなくなってきただろ?」  確かに作戦では佐藤さんに勉強を教えてもらい、持参してきたジュースなどをがぶがぶ飲ませてトイレに行かせて、そのあいだに彼女のタンスの明日着る服の場所(佐藤洋子親衛隊の情報によると、そこにいれた服を翌日に着るのが佐藤さんのこだわりなのだという)の下着をピンクのブラを入れておけば作戦コンプリートなのだが、勉強を教えてもらえない。
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