身体検査で性転換の巻

2/11
前へ
/112ページ
次へ
 4月の初旬。高校生活が始まって、初めての身体検査。  かなりの女子が朝ごはんを抜いてきたのだろう。弁当をよだれを垂らしながら獣の目で眺めている。  「よう、おはようさん。今日は待ちに待った身体検査だな」と僕に小さく声を掛けてきたのは、同じクラスで隣の席の、石川隼人である。  石川とは、入学間もないころに、同じAV女優が好きという共通点で友人になった。  それでなぜ彼にとって、今日が特別な日かといえば、そう、それは1週間前のこと。  石川から『お前のぞきをしないか?』の一言で始まった。  石川曰く、どうしても人員が必要なのだということだ。  作戦通り行けば、こちらは安全に女性の身体検査を眺めることができる。そう言った。  確かに魅力的な誘いではではあるが、僕のこの良心が痛む。うっかり犯罪に手をそめてしまうのではないだろうか? というか、もしも失敗して彼女たちに深い傷を負わせてしまったらどうしようか?  第一、所詮みることができるのはパンツと少しの胸だけだろう? それだったら素人物のAVでこと足りるのではないだろうか?  そこのところを石川に尋ねた。  「お前AVの素人物なんて、本当は素人じゃないぞ」  それは知っている。  「それにだぞ。お前・・・今まで他の男が誰も見たことのないおっぱいをみられるなんて最高じゃないか!」  確かにそれは僕もそう思う。  さらに石川は続ける。  「それに、やつら女子どもは体重をとてもとても気にしている。見たか? 今日の早く身体検査が終わってから、弁当が食べたいわ。っていう顔をしていただろ? それだけ体重を気にしているんだよ。・・・ってことは、体重をグラム単位で落とすために全裸になるかもしれないぞ! そういえばさっき佐藤さんが『あたし裸で体重計ろうかしら』って言ってたぞ」
/112ページ

最初のコメントを投稿しよう!

665人が本棚に入れています
本棚に追加