朝、目が覚めるとの巻

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 「やべえ、遅刻しちまう!」   今、僕(大石孝之)は学校に遅刻しそうなので全力で走っている。  本当はイチゴジャムがたっぷりと付いたパンをくわえながら走りたいのだが、それは漫画やアニメの中でしかできないことを僕は知っていた。  走っている最中にパンによって口をふさがれたら息が続かずに走ることは苦難である。だからこそ、最近の若者は朝食をとらないのではないだろうか?  しかし、しかしだ。今日はやはりいつもより体力が落ちているようなそんな感じだ。  それは僕が体の構造上、女であることが1番の原因だと思われる。  さらしがなかったので、包帯で邪魔になる胸をぐるぐる巻きにしたが、やはり胸というものは重い。この重みはいつかは慣れるものなのだろうか?    心底不安である。  ところで、先ほど構造上、女だと話したのだが、そうその通りなのだ。    僕は女になってしまった。  正確にいえば男だったが今朝がたいつの間にか女になっていた。      それは  
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