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県道へ続く道をゆっくりと降りていく。
しかし、彼がたどり着いた所に県道は無かった。
そこにはただ赤い海が広がっているだけだった。
「何だ。なぜ県道が無いんだ」
0時00分、村は現実世界から異界へと 取り込まれてしまった。
彼がいる場所はちょうど現実と異界の境目なのだ。
「戻るしかないか」
山木は来た道を戻っていく。
倉庫まで戻ってきた。
相変わらず周りは暗い。
止まっていても仕方ないので、彼は北の商業区へ向かうことにした。
すると遠くに白い点が見える。
よく目を凝らすと屍人だった。
彼はそれに気付くと屍人に対する怒りがこみ上げてきた。
なぜなら彼は4年前のこの事件と似た事件で屍人に家族を殺されているのだ。
それ以来彼は村から距離を置き、ひっそりと暮らしていたのだ。
「なぜあの時俺は家族を守れなかった。貴様らだけは許さん」
おもむろにかついでいた猟銃を構える。
そして頭に狙いをつけた。
引金を引いた。
銃声が棚田中に響きわたる。
屍人は倒れた。
そして彼は商業区へまた歩き出した。
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