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───Side貴裕───────
智樹が転校するって聞いてマジでショックだった
俺の親父と智樹の親父さんが仲が良くて、小・中学校と同じで高校も同じ場所を選んだ
だから、離れるなんて思っていなかった
離れるよりも、智樹がいつもと変わらないほうがショックだった
俺と離れても平気なのか……?
しかも、周りの奴らには愛想よく振る舞ってるし
でも、顔には出さずに過ごしてやっと昼休み
焼きそばパンの時間だぜ♪
俺は、大好物の焼きそばパンを食べていると智樹がこちらをじっと見つめて、一口くれと言ってきた
可愛い……!!
本人は自覚なしだが、智樹は可愛い
156cmしかない身長もそうだが、あの大きな目、白い肌、少しくずしている髪型
全てが俺を惹き付けていた
しかも、見た目と違いケンカは強い
とてもきれいな黒髪に大きな黒い瞳。いつからか智樹は“漆黒の天使”とか呼ばれている
そんなことを考えていると智樹が上目遣いで
「………ダメか?」
と、聞いてきた
…………イきそうだぜ☆
こんな可愛い子に頼まれたら断れるはずもなく焼きそばパンを渡そうとする
一口だけだぞ?と、忠告するとわかってると言いながら相変わらず上目遣いで口をあーんと開けてきた
俺の息子が反応してるんですが……
言っとくが、俺は手に渡そうとしたんだぜ?
なのに、こいつは……
しかも、これが無意識とはもう犯罪だろ!!
こんな可愛い智樹を誰にも渡したくない
これからもずっと一緒だ
そう、俺は決意した
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