Ⅰ. 荒波が知らせた出会い

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青木は未だ疑っていた。 だが疑う理由が見つからない。 声は変わったかもしれない。 容姿は時間が経てば変わるだろう。 同じく青木も変わった。 自分称も変わった。 容姿が変わった青木を、彼女は疑いながらも呼んだ。 間違いない。 青木は、かつての幼なじみの名を呼んだ。 「つばめ……なの?」 少し、疑っていた。 しばらくの沈黙。 その中彼女、花宮 つばめ(はなみや-)は泣き出した。 「覚えていた……間違ってなかった……」 彼女は涙を流し、呟いていた。 「つばめ……」 「間違いない」 そう思っていた。 青木はゆっくり、つばめの肩に手を置いた。
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