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車が行き通う。
歩道橋で彼女は立っていた。
いつも変わらない青空。
建物は創られる。
自然は削られる。
それでも、彼女はその景色を見つめていた。
僕は、どう言えばわからなかった。
明日、島に住むことになったからだ。
「島に住むことになった」
それを伝えなければならない。
しかし、言い出せる気力が全くない。
「きれいだね」
彼女はそんな景色を見て、僕に訊いた。
「う……うん」
言うべきなのか、言わざるべきなのか……
悩むしかない僕……
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