Ⅰ. 荒波が知らせた出会い

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その日は快晴だった。 野球日和だが、高町 青木(たかまち おうぎ)はそのような暇はない。 親父が残した家、もとい売れない喫茶店。 その店番をしなければならない。 島の人から「よくこんなモノ残したな」と、言われる始末。 「親父は、「喫茶店出せば売れる」という思考から離れられなかったんだろうか……」 『だから、引っ越しする際に離婚したんじゃないか?』 そう思う青木。 さらに学校が休み。 なのに外で遊んでいられない。 快晴。 休日。 こんなラッキーな日が、店番でつぶされる。 「臨時休業にしようかな……」 しかし臨時休業にしてしまうと、お金が足りなくなる。
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