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「おーい。借金親父の息子さんよー」
「コーヒー飲みに来たよー」
「……あまったるい紅茶一つ」
「ん?」
小さい頃から島暮らしの九十九 一(つくも はじめ)と唐草 媛(からくさ ひめ)に他方から引っ越してきた日野 洋子(ひの ようこ)のトリオがいつの間にか喫茶店に入っていた。
相変わらず行動が読めない。
「一。『借金親父の息子』って呼ぶなと言っただろ……」
笑いながら謝る一。
反省の色がない。
「媛。コーヒーはどうする?」
「うーん……砂糖二杯入れたブラックで」
媛はニコニコと応える。
「洋子……糖分取り過ぎは気を付けた方が……」
「砂糖。媛の五倍で」
「いつか糖尿になるよ」
そう言っても洋子は相変わらず甘めの紅茶を頼む。
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