その茜を愛でるように

16/21
148人が本棚に入れています
本棚に追加
/384ページ
食べ物を口にした後にはちゃんと口を拭いてから飲み物を飲む。それくらいのテーブルマナーは佐助も知っていた。 さて、これからどうしよう そんなことを考えていると、小十郎が自分をまじまじと見ているのに気付き 「何?」 と言えば 「いや」 と小さく返事が来た だが視線はこちら。 その視線がムズムズする 「そろそろ帰るか?」 「あ、そう..だね」 時間を見るとすでに十時を過ぎており、佐助は頷いた。 「着替えなきゃ」 「そのままでいい」 「え?」 何がいいのだろうか... そのまま? 女装したまま家に帰らなきゃいけないのか!? 佐助はまた「え?」と呟いた 「俺が送って行ってやる」 うわ紳士的 そんなことを考えていると 「荷物、忘れ物ねえか?」 と尋ねられた スクールバックと制服 「忘れ物ないよ」 「じゃあ行くか」 「...はい」 正直、女装で部屋から出るのは恥ずかしかった。
/384ページ

最初のコメントを投稿しよう!