動物園物語~未来~

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なんだよ…これ… 何百枚も散らばった画用紙 その一枚一枚に、全く同じ女性が描かれていた そして、机の上を片付け始めた時だった ん?? 机の上に置かれた、一枚の画用紙 描かれていたのは、床に落ちていた画用紙に描かれていた女性と同じだったが、上半身までしか描かれていない それに、数ヶ所水滴が落ちた跡がある しかし、まるで…写真の様に描かれた作品だ 見てると、何故か泪が出て来る それほど美しく描かれており 被写体が綺麗だからなのだろう その画用紙の裏を見てみる… その画用紙に刻まれた、一文 でま後最 たっかたいに緒一 一体何を意味するのだろう?? 近くにあった、こけていた写真立てを立ててみる !! 男性と、あの被写体の女性 二人共、嬉しそうに写っている 場所は、どうやら近くの動物園の様だ そして、最後に見付けた、ホコリまみれになった一冊の日記 息を吹き掛けた後、手でホコリを払って中を見た 日51月8 たえ逢出に女彼くやうよ も女彼、らやうど だうよたいてし探を事の僕 いし嬉 郎一太 今では考えられない右書きを、上手に使う太一郎と言われる人物 僕は、どうしても気になった 「ばーちゃん。この人誰??」 「どれどれ。」 ばあちゃんは目を丸くし、僕の手から日記を取った 「太一郎さんの日記じゃないか!!どこにあった!?」 「書斎。ねぇ、太一郎ってどんな人??」 「太一郎さん??太一郎さんはねぇ…」 ばあちゃんの口から出た、ある二人の男女の恋物語 それは、女性の多大なる愛と またそれは、その女性に対し、男性が愛に答える ウブで、残酷な物語でした…
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