プロローグ

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 ――運命は唐突だ。  予想もしない一瞬から、突然その歯車は廻りだす。  俺は知った。  決まりきった運命だって、つかみ取る勇気とチャンスがなければ、ただ通り過ぎる一陣の風にすぎないことを。  だから手を伸ばすんだ。  死に物狂いで。  どんなに苦しくたって。  どんなに傷付いたって。  手放したくないあの子の心に。  今にも消え入りそうな、哀しい、ホタルみたいなあの笑顔に――。 .
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