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「まああれだ、ヒナくんは資料の仕事してたけど、愛莉はそれにちょっかい出して遊ぶっていう仕事をしてたからさっ」
こうして笑う彼女は天使のように可愛らしい。
あたしより頭半分ほど低い身長に白い肌、ふんわりと巻いた栗色の髪。
大きな瞳には愛嬌があって、学園内での男子からの人気は1位2位を争うほど。
「…つまり陽向先輩の仕事の邪魔してたわけね」
「む、人聞きが悪いなぁ、ヒナくんの鍛錬だよ、鍛錬!」
しかしその容姿に反して、彼女はなんというか…かなり…奇抜(?)な性格をしていらっしゃる。
「そういえばタカくんは?一緒じゃないの?」
「あぁ…」
そういえばあたしがちょっとイライラしてたって理由で、置いてきちゃったんだっけ。
大丈夫かな、拗ねてないかな。
「このままホタルの視界から消えていなくなればいいのにねぇ」
笑顔のまま恐ろしいことをのたまう愛莉。
「あ…愛莉…?」
「そしたらホタルは愛莉のものなのにねっ!」
満開の笑顔とピンクのオーラにあたしが怯えていると、
「あははっ やだなぁ、ジョーダンだよぉ」
とケロリとして言う愛莉。
「いや、なんか冗談に聞こえないから!怖いから!」
何を隠そう愛莉は生粋の腹黒女だったりする。
家がお金持ちだからか、目一杯わがままに育て上げられたらしい。
「じゃあまた放課後ね!ばいばーい」
気付けばもう愛莉の教室の前だったから、あたしは手を振って彼女と別れた。
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