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  リーダー格らしき一人の女子が口を開き、ドスの効いた低音で聞く。 「あんたさぁ、六条くんの何なわけ?」 …幼なじみ? すると次々と、5人それぞれが全方向からあたしに暴言を浴びせる。 「いっつも六条くんの周りちょろちょろしてんじゃん?目障りなんだよね」 …あたしの周りを貴臣がちょろちょろしてんだよね。 「六条くん絶対迷惑してると思うよぉ?」 あたしが迷惑被ってますが。 「ねぇ…消えてくんない?」 嫌です。 「死ねよ」 誰が。 一人一言にあたしがいちいち心の中で返事をしていると、あたしが黙ったままなのをいいことに彼女たちはあたしとの距離を詰めてきた。 イラついた気迫と黒いオーラがあたしを責める。 怖くはない。 ただ面倒くさいだけだ。 おそらくそれが表情に出ていたのだろう。 5人の中の1人があたしにつかみ掛かってきた。 「死ねっつってんだろ!」 そんな乱暴な言葉使い、この格式高い学園で使うものじゃないわ。 …なんて心の中で無駄なツッコミを入れていると、あたしの襟首に彼女の左手が掛かって、握った右の拳があたしに向かって振り下ろされる。 ガッ…。 反射的にあたしは、向かってくる拳を素早く掴んで、あたしの襟を掴んだ相手の左手に思い切り爪を立てた。  
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