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あたしの空手やら合気道やらテコンドーやらいろいろな格闘技が混ざったこの戦闘能力は、もとより貴臣のそばにいるために幼少から身につけさせられたものだった。
元々身体能力が高くはない…というか運動音痴であるあたしだけど、これだけ幼い頃から叩き込まれていれば、それなりに強くもなるものだ。
100m走が遅くともバットがボールに当たらなくとも、剣道・柔道ならお手の物。
小さい頃はよく男の子とケンカして、負けたことはなかった。
今じゃさすがに男を相手にするような無謀なことはしないけど、普通の女子高生くらいなら5人相手だって楽勝だ。
そして、この能力は中学生の頃から大いに役立っているのだった。
貴臣が好きであたしに嫉妬する女子ごとき、いくら素手であたしにかかってきても無駄だ。
そのことを学んだのか、もうそんな勝負を挑んでくる子は少ないけど、逆に大人数で来たりと悪質になるから、気をつけないと。
「あれ、ホタル?」
弾むような澄んだ女の子の声に、顔を上げる。
「愛莉」
ひとつ廊下を曲がればすぐに生徒会室、というところで、向かいから角を曲がってきたのは、あたしと同じ生徒会書記の早乙女愛莉(サオトメアイリ)だった。愛莉は小柄にフランス人形のような可愛らしい容姿でにっこりと笑って言った。
「どうしたの、これから生徒会室?もう昼休み終わりだよ?」
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