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「お疲れでしたぁ」
「お疲れぇ」
収録も終わって帰路につく。
タクシーに乗った時このまま何処かに消えてやろうかと思った。
１年の終了できりもいいし…。
でもまだ俺はなにもしてない。
あとちょっと頑張らないとそう思いつつ家に帰っていった。
「えと次の仕事は…」
DGSの収録から数日、俺のスケジュール帳は真っ黒になった。
そしてケータイには他の声優さんの顔写真が。そうでもしないと忘れるから。
でもそれもあと２カ月あるかないか。
まぁ、３カ月先はない。だってそこからのスケジュールは真っ白。
…それでいいんだ。
えと、今日はCDの収録。
「おはようございます」
「おはよう。久々だね神谷君」
「そう…ですね」
えと誰だっけ？
あとちょっとで思い出せそうなのに…
「遊佐さん、神谷さん収録しますんで来て下さい」
「あ、はーい。…行こっか」
「はい…」
そうだ。
遊佐さんじゃないか。
何気に声優の中でも親しみのある先輩を忘れるなんて…。
「はぁ…」
誰にも気付かれないように、コッソリとため息をついた。
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