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そんなわたしたちは
料理部に入った。
料理は普通なわたしの
唯一の特技だ。
多樹「桃ちゃん、夏葉ー!!」
フィールドから声がした。
窓の外を見てみると、
同じクラスでサッカー部の
新藤多樹(しんどうたき)と
日野星夜(ひのせいや)が
家庭科室を見て
思い切り手をふっていた。
多樹「今日のメニューはー!?」
桃「紅茶クッキーだよー!!」
星夜「楽しみにしてるー!!」
教室ではほとんど話さないのに、
なぜか帰るときは
4人一緒だった。
ただ適当なことを話し、
その日に作ったお菓子を食べ、
なんとなく携帯番号を
知っているだけの存在。
それ以上でも、
それ以下でもない。
そしてわたしは
この関係にどこか
居心地のよさを感じていた。
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