🍀着信🍀

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夏葉「塾に行ってくる」 テストが近いから、 この日は塾に行った。 受験のときから通っている、 個別指導の塾。 先生「ここが(1)と同じだから yを代入して…」 嫌いな数学を 必死で解いていると、 携帯のバイブが鳴った。 初めはメールだと思ったけど、 メールにしてはやたら長くて、 思わず表示画面を見た。 『着信:新藤多樹』 多樹からの着信だ。 しかし塾で電話するわけには いかないので放置する。 それでも執拗に鳴る携帯。 先生も気づいたみたいだった。 先生「出てもいいよ?」 夏葉「すみません」 先生にことわってから 塾の外に出て電話に出る。 夏葉「もしもし?」 多樹「夏葉!!」 多樹の震えた声に 一瞬驚いたけど、 必死で平静を装って答えた。 夏葉「タッキー? ごめん、いまちょっと…」 わたしの言葉を、多樹が止めた。 多樹「星夜が死んだ…」
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