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夏葉「塾に行ってくる」
テストが近いから、
この日は塾に行った。
受験のときから通っている、
個別指導の塾。
先生「ここが(1)と同じだから
yを代入して…」
嫌いな数学を
必死で解いていると、
携帯のバイブが鳴った。
初めはメールだと思ったけど、
メールにしてはやたら長くて、
思わず表示画面を見た。
『着信:新藤多樹』
多樹からの着信だ。
しかし塾で電話するわけには
いかないので放置する。
それでも執拗に鳴る携帯。
先生も気づいたみたいだった。
先生「出てもいいよ?」
夏葉「すみません」
先生にことわってから
塾の外に出て電話に出る。
夏葉「もしもし?」
多樹「夏葉!!」
多樹の震えた声に
一瞬驚いたけど、
必死で平静を装って答えた。
夏葉「タッキー?
ごめん、いまちょっと…」
わたしの言葉を、多樹が止めた。
多樹「星夜が死んだ…」
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