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バシッ!
翔太の手は、重野の平手によって弾かれた。
重野の鋭い目は、翔太を射ぬいている。
「僕に触らないでくれないか。 汚れたらどうしてくれる」
その言葉を最後に、翔太の理性は宇宙の彼方へと吹き飛んでいった。
「うがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
重野は飛び退いた。翔太の圧倒的な威圧感に当てられ、反射的に距離をとったのである。
「この感じ……、坂口の憎しみが増大している」
重野は本能的に気付いた。
「今の坂口は人間じゃない。まさに、悪魔だ……」
翔太は、重野を睨みつける。
そして、腰を落とした。
「なっ!?」
重野は身の危険を察知し、避けようとした。
だが、時すでに遅し。
次の瞬間には、翔太の腕が重野の胸部を貫いていた。それは、正確に心臓を貫通していた。
「ぐふっ……!」
重野は即死。既に息絶えていた。
翔太が腕を引き抜くと同時に、胸から血液を噴出させながら、床に崩れる重野の残骸。
返り血を浴びた翔太の全身は、真っ赤に染まっていた。
他の生徒達は、あまりにも悲惨な現状をまのあたりにし、言葉を失っていた。
ただ一人を除いては。
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