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「ただいま。ちゃんといい子にしてた?」
「にゃあ!」
(お帰りなさい!うん。いい子にしてたよ)
聞こえてはないけど、僕は尻尾をゆらゆら揺らしながら、ご主人さまの足に擦り寄った。
「今日はね、サーシャにプレゼントがあるんだよ~。ハイ!これ」
「に?」
ばっ、と目の前に紅い輪っかみたいなのが出された。
なんなのかわからなくて、少しだけ首を傾げてみる。
「これはね、首輪なんだよ。サーシャが僕の飼い猫だってしるし。これ付けてないと外に出るのは危ないからね」
しるし……僕とご主人さまを繋ぐもの。僕がご主人さまのものだってしるし……。
「みゃあ~」
(嬉しいうれしい!)
「気に入ったかな?じゃ、付けるね」
かちゃかちゃって僕の首周りに付ける。
「うん!やっぱり紅いのにして良かった!似合うよ!」
つけ終わって、僕を抱き上げながらうんうんとうなずく。
僕はすごくうれしくてゴロゴロ言いながら、ご主人さまに頬擦りをした。
「これで外にも出られるよ。いつも家の中じゃあつまんないでしょ。だから、僕が帰ってくるまで遊びに行っていいよ」
「みゃっ」
これで正真正銘僕はご主人さまの家族なんだ……。
もう、ご主人さまを一人にしなくて済むんだ。そして、僕も一人じゃないんだ。
「よし!サーシャご飯にしようか」
ご主人さまはすぐにキッチンに立ち、晩御飯の準備をし始めた。僕はそれを後ろから見ている。この時間も僕はお気に入りなのだ。
今日のご飯はデミグラオムライスらしい。僕はそれがどんな味なのかわかんないけど、ご主人さまが美味しいって言うんだから美味しいのかもしれない。でも、僕はやっぱり猫缶が一番だと思う。
「食べようか」
ご主人さまが僕のお皿に猫缶をほぐして入れてくれた。
うん、やっぱり一番は猫缶だね。
お腹も満腹になって、あとはのんびりとテレビを見たり、ねっ転がったりして過ごした。
夜の十一時くらい。
「明日は朝、早いからもう寝ようか」
ご主人さまが僕を抱き上げて、ベットのほうへ歩いて行った。
僕は夜行性だ。だからまだ眠くはないんだけど、ご主人さまが寝るから僕も一緒になって布団の中に潜り込む。
ご主人さまはくすぐったいからやめろって言うんだけど、暖かいからやめられないんだ。
「また潜るの?もう……仕方ないなぁ」
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