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俺達は真相の解明に向け動き出した。五条が【感情】を失ったのは、三年前の中学二年生の時だそうだ。
「その晩に悪夢を見たの。死神が持っていそうな巨大な鎌が私を襲う夢を」
そして鎌が五条の心臓を貫く瞬間、五条は悪夢から解放されたのだという。【感情】という一つの【概念】を失い。
「俺もたまに見るよ。崖から落ちるとか、凶器を持った人から追い掛け回される夢。まぁ何にせよ悪夢には違いないよ」
「カヲラ君と一緒にされるのは侵害だわ。そのままショック死すれば良かったのに」
随分と毛嫌いされてんな俺。
「ンハハッ! 仲良く痴話喧嘩かな?」
これが痴話喧嘩に聞こえるか? 俺がただ一方的に罵倒を浴びているだけではないだろうか。
「大体分かったよ、ありがとねお嬢ちゃん。カヲラ君、僕はこれから用意しなくちゃいけないからそうだなぁ……三時間後、またここに集合ってことで、良いかな?」
どうせ俺に拒否権なんて無いんだろ。
「りょーかい。一旦家に戻るよ。またな五条……」
「何を言ってんの? 彼女も連れていきなよ」
はいはい、三時間後だろ……。はい!?
「だぁーから一緒に帰るの。こんな変態中年オヤジとかわいこちゃんを二人っきりにするもんじゃないよ」
「自分で変態とか言ってんじゃねぇ! つか自覚してたのかよ……」
しょうがないなぁ。まず先に五条を送っていって……面倒くさ。
「あぁあと、彼女の家に行ったら駄目だからね」
「別に襲ったりしないぜ?」
「君にそんな甲斐性無いのは知ってるよ」
……さいですか。
「そうじゃなくて、これからやることに影響が出るかもしれないからね。カヲラ君の家で待機しててよ」
「だってさ」
「何で私に言うの? 一々不愉快だわ」
……こんなポジション嫌だ。
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