かんなぎ

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かんなぎ

状況は最悪だった。 生きてきてこれほどのピンチは初めてといっても過言ではないだろう。 まず原因は夏休みだ。長い休みが俺の中にある若人の地を騒がせた。 長い休みになれば一人でどこかに行きたくなるのはよくあることだ。 だから俺は盗んだ自転車で(実際には自分のだが)走り出していた。 そして今、暑い。とにかく暑い。夏だからそれはしょうがないだろう。 さらに手持ちの資金は限りなくゼロ。 もっといえば、ここがどこだか分らないファンタジー。 無計画で飛び出した結果が最悪な状況を招いていた。 つまり俺がバカなだけなのかもしれない。 後悔しても後の祭りだった。
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