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「・・・ですか?」
誰かの声が聞こえた。それに反応して目が覚める。
最初に目に入ってきたのは茜空だった。
ずいぶんと眠ってしまっていたらしい。ぼやけた意識の中でそう判断する。
そして横から顔をのぞいてくる女の子がいた。
「大丈夫ですか?」
その女の子はそう聞いてきた。
「えっと・・・俺のことか?」
「あなたの他にどなたかおられますか?」
女の子がそういうので起き上がって周りを見るが、俺達二人以外に人影は見られない。
「すまん・・・寝ぼけていたみたいだ」
「随分と眠っていたみたいですね」
謝罪した俺に女の子は笑って答えた。
両膝をついて座っている女の子はどうやら高校生らしい。
赤いセーラーカラーのセーら服に、腰と膝の中間くらいまでの長さの赤いスカートを身につけている。
体つきもそこそこであり、発育具合が中学生ではない。それ以前に長い髪が大人びた感じを表している。
「ところで大丈夫なのですか?」
女の子は最初に聞いてきた質問を聞きなおしてきた。
そう聞かれて体を見渡すが、別に異常はない。
「特に変わったところはないけど・・・」
そのまま思った通りに返答する。
「そうですか。自転車も倒れてますし、何かあったのかとばかり・・・」
それを聞いて自転車をみると、道の真ん中で倒れている。その横には女の子の自転車だろうか。もう一台自転車が置かれている。
なるほど・・・。狭い道の真ん中に自転車が倒れていて道端に人が倒れていればそれはおかしいと思うだろう。
実際に厚さを空腹にやられて倒れたなんて恥ずかしくて言えたものではない。
が、その時だった。
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