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私は天を仰いだ
私の見上げる空は鉛色…
「…何故…君の空はいつも曇りなんだ…」
『…知らないわ』
ソイツは気が付くといつも私にそう尋ねるのだ
私の答えも決まっていた
ずっとこうなのだ
でも今日は違っていた
「知らなくはないだろう、君は気づいているはずだ…」
『……?…?!』
その質問は不意打ちだった
私は思わず動揺した
「やっぱり気付いていたんだ」
軽く深呼吸をしてから私は口を開いた
『…この空が鉛色なのは、私のココロを示しているのでしょう』
「そう、ここは君のココロだ」
そのんなの気づいていた
だけど
「認めたくなかったんでしょ」
『…!!』
またも不意打ちをくらった
何故コイツは私のココロを読むのだ
「何故って、僕はずっと君のココロにいる…君が考えてることぐらい分かるさ」
まぁ、考えてみれば分かることだったのかもしれない
だけど私は
『何故、私のココロにいるの』
「さぁね、僕も知らないよ……なんて、君のココロにいるんだから僕も君の一部でしょ」
『なんで男なのよ…』
「僕に聞かないでくれ、…この空の色に関係してんじゃないの」
『…鉛色の理由…』
「僕にも分かる、だから君も分かるはずだ」
『……雨が降る…』
「なんでそう思う?」
『なんとなくよ』
私のココロ
いつも晴れることのない
いつ崩れるか分からない
そんな不安定な
私のココロ
「僕は濡れるの嫌いじゃないよ」
コイツはもしかしたら
私のココロに在る
希望なのかもしれない
それもまた
私のココロ
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