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みんな酔い潰れていた。私は清吾にタオルケットをかけようとした
『まだ潰れてないぞ』
『起きてたの』
『なあ梓。俺はまだお前が好きだぞ』
私はなんとなく気付いていたが知らないふりをしていた
『再会したときからずっとだよ。まさか椎名さん亡くなったなんてしらなかったけど』
『もう言わないで』
『好きは好きだ。もう俺は昔の歯痒い俺じゃない
好きな女に好きと言わないでどうする
付き合えどうのじゃないんだ。俺は素直な気持ち伝えているだけだ』
『清吾ったらすごいバンカラ…違う人みたい』
『バスケが俺救ってくれた』
『私も救ってもらった。あのどんどんと響くボールの音と車椅子の音…私の気持ち全部変えてくれた』
『だからさ、気持ちだけでもわかってよ。好きなんだから』
『わかった。でも私は返事は出来ないよ…このルビーのネックレス外せるまで』
『そのくらい俺はわかってる』
『ならいいけど』
私は清吾に対して友情以上の気持ちを抱いていた
それは障害者に対する気持ちなのか恋愛対象の気持ちなのか、ハッキリわからなかった
私があの時清吾を裏切らなければ、彼は障害者にはなっていないはずである。きっと私が守っていたであろう
その負い目もある
いろんな気持ちがありすぎて答えは出なかった
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