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《もう、別れよう…。》
『…はぁ?何これっ!!!』
あまりにいきなり大声をあげた
せいで朝っぱらから
冷たい目線を浴びてしまった俺。
澤本 恭介(サワモト キョウスケ)の携帯に
浮かぶ先ほどの9文字という
至ってシンプル、
いや、あまりにシンプルすぎる
突然の別れのメール。
送り主はもうすぐで
付き合って2年半になる
水谷 綾香(ミズタニ アヤカ)。
心当たりがあるようなないような
俺は慌ててすぐに返事を打つ。
『いきなりどうしたんだよ?
理由聞かせてくれよ…』
メールを送るとすぐに電車が来た
もう秋も深まり風が冷たく
なってきたので電車の中は
心なしか暖かく心地よい。
…だが今日はそれどころ
ではないため席に座ってからも
俺はどこかそわそわしてしまっていた。
―おいおい、職場着いちまうよ―
俺の職場は北浦駅から5つほど離れた春浦原という駅から歩いて3分ほどの場所にある
駅の近くともあって暇な店でもないが大きい…とも言えないそれなりの美容院。
俺はそこの、この頃やっと自分のお客様をつけていただいたばかりの{新人美容師}ってところ。
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