始まり

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「若!こちらにいらっしゃられたのですね!」 白髪の青年は、小走りしながら幸森に近寄る。 「あぁ、白狼。もう見つかったかぁ」 「もう…貴方のいる場所くらい、手に取るように分かります」 白狼と呼ばれる者の隣に、もう一人の青年が来た。 「また団子を頬張ってたのか。お前の胃袋は底が無いのか」 「黒羽、団子を食べながらいったって説得力無いよ…」 黒羽と呼ばれる者の口には、幸森の団子が入っていた。 三人の会話の途中、先ほどの老人がやってきた。 「おやおや、白狼殿に黒羽殿。よういらっしゃった。」 「お久しぶりです、ご老人。お元気そうで」 白狼が礼儀良く挨拶する。 実は前々から、この団子屋に来ているのだ。 つまり、この三人は『お得意さん』なのだ。 だから老人とは知らない仲ではないのだ。 「それでは、ごゆっくり」 老人は店の中へ戻って行った。
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