70人が本棚に入れています
本棚に追加
/32ページ
「若!こちらにいらっしゃられたのですね!」
白髪の青年は、小走りしながら幸森に近寄る。
「あぁ、白狼。もう見つかったかぁ」
「もう…貴方のいる場所くらい、手に取るように分かります」
白狼と呼ばれる者の隣に、もう一人の青年が来た。
「また団子を頬張ってたのか。お前の胃袋は底が無いのか」
「黒羽、団子を食べながらいったって説得力無いよ…」
黒羽と呼ばれる者の口には、幸森の団子が入っていた。
三人の会話の途中、先ほどの老人がやってきた。
「おやおや、白狼殿に黒羽殿。よういらっしゃった。」
「お久しぶりです、ご老人。お元気そうで」
白狼が礼儀良く挨拶する。
実は前々から、この団子屋に来ているのだ。
つまり、この三人は『お得意さん』なのだ。
だから老人とは知らない仲ではないのだ。
「それでは、ごゆっくり」
老人は店の中へ戻って行った。
最初のコメントを投稿しよう!