独眼竜

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一方、軍の中心にいる人物…伊達政宗は、次の戦についてを 『竜の右目』腹心の片倉小十郎に相談していたところであった。 「小十郎。皆の様子はどうだ?」 「はっ。特に異常はありません。明朝には出陣できます」 「そうか、Thank You♪腕がたぎるぜ」 「真田幸村…ですか」 小十郎は政宗の考えをいち早く察した。 それが当たったのか、政宗はニィッと笑う。 「この日をどんなに待ったことか…小十郎、手ぇ出すんじゃねぇぜ」 「御意。しかし無理はなされるな」 「わーってる。オレが絶対に勝って見せるぜ」 『それは分からないよ』 「「!!」」 政宗と小十郎は、咄嗟に後ろを振り返った。 そこには、さっきまで木の影から二人を見ていた真田幸森の姿があった。 「子供!?子供が何故こんな所に…」 「…おいガキ。テメェ何者だ?どうやって入ってきた?」 政宗は幸森に問いかけた。さも当然。 軍の周りには、兵達が見張りをしているはず。それを避けて入るのは不可能に等しい。 その様子を遠くから見ている白狼と黒羽は、ハラハラしながら見ていた。 「(若…!そこで正体を明かしてはいけません!ここは偽って…!)」 「俺は武田軍真田幸村が弟、真田幸森だ」 そうハッキリ言う姿を見て、白狼は愕然としている。 「(わ…若ーーーー!?何故そんな素直に正体を明かすのです!?)」 「(まぁ、ここはおとなしく見てよう)」 黒羽は白狼をなだめて、視線を幸森に戻した。 「真田…幸森ぃ?」 「もしや…『紅蓮の獅子』の異名を持つ…?」 「そう、その真田幸森だ」 幸森の一言に、周りが一斉に騒ぎだした。 「おい聞いたか!?あの『紅蓮の獅子』が、あんな子供だってよ!」 「本当に実在していたとはな…」 「あの子供の何処が強いんだ!?」 「Shut up!!!」 周りが一斉に静まりかえる。 その根源は、伊達政宗その人であった。 政宗は幸森をジッと見つめ、問いかけた。 「幸森…っつったな、なんで真田のヤツが伊達にいるんだよ」 幸森は、ゆっくりと口を開いて答えた。
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