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瑠佳「…壱…壱ごめんね。あの時、あなたを手離してしまって……」
壱「…仕方ないさ。瑠佳…俺は瑠佳の笑顔が好きだった…でも、瑠佳はあの時…両親が亡くなってから笑わなくなった……」
瑠佳「笑い方なんて忘れちゃった。それより…どうして壱が人の姿をしてるのか分からないけど…無事でよかった……」
壱「…瑠佳の幸せだけを祈って身を引いたのに…アイツは瑠佳を傷つけるだけだった。」
瑠佳「おじさんのこと?しょうがないよ、好きでもない私を引き取ったんだから……」
壱「…俺は…好きだから…だから側に居させて…」
瑠佳「…壱…ありがとう。でも……」
壱「…瑠佳のことずっと見てた…瑠佳が好きだから…もう離さない……」
そう言って瑠佳をベッドに沈めて上から覆い被さるように抱きしめる。
瑠佳「…壱もすっかり大人だね。こんなに大きくなって……でも、甘え癖はぬけてないね。」
そう言って自らも壱の背に腕を回した。
この時、瑠佳が小さく笑っていたことに壱も瑠佳自身も気づいていなかった。
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