短編たち

24/50
前へ
/513ページ
次へ
[※ヒバ→ツナ・病み雲雀] それは羽をもぎ取られたチョウの様だった。 (チョウは虫かごに入れてしまおう!) 視界を閉ざして、自由を奪って、心を捕らえたら、そうしたら君は僕の、僕だけのモノになってくれる、そんな気がしたんだ。 けれどそれは、僕の好きだった、愛しい彼とは別人だった。 僕が彼を壊した。 でも、それは喜びにもなった。 僕だけが知る綱吉。僕だけの綱吉。僕しか見えないその心。 あぁ、なんて快感だ。 なんて気持ちが良いんだ。 支配力。まさにソレだった。 彼はもう泣かなくなった。声だって叫びすぎてかすれてる。体中には僕がつけたアトとアザ。 キレイだった血がこびりついて赤黒くなっている。 それも全て僕がやったと思うと胸が高ぶる。 あぁ、君は今、すごくキレイだよ。 「気分はどうだい?」 「最高に最悪ですよ、雲雀さん。」 (チョウは捕らえて) (羽をもぎ取ったら) (もっと美しくなる。) .
/513ページ

最初のコメントを投稿しよう!

123人が本棚に入れています
本棚に追加