123人が本棚に入れています
本棚に追加
[※ヒバツナ・ツナ死亡]
チクッとした。チリッと、した。
(消さない。消せない。)
「なぁ、雲雀。」
「何。」
「お前、首んとこ虫に刺されてんぞ。」
山本武が指差すところ。
そこは、赤く小さな、アトのような。
「痒くねーのか?」
獄寺隼人が尋ねてくる。
本当、この2人って仲良くなったよね。
あれだけいがみ合ってたのに。(片方が)
「別に痒くないよ。」
「オレ薬あるぜ?」
なんで今持ってるのさ。
だいたい…
「…っ!ひ、雲雀さん…オレも、つける…。」
「わぉ、出来るかい?」
「だってオレばっかつけられてるし…オレも印、つけたいんです。」
真っ赤になってしゃべる綱吉を見て、胸が鳴った。
「つ…ついたぁ!」
やっとの思いでついた印。
そのアトはとても愛しくて、かわいくて…。
胸が、焦げたようだったんだ。
そして、綱吉のつけた印がジンジン痛んだんだ。
「…いらないよ。消すわけにはいかないからね。」
この印は消させない。
「消すわけには、いかない?」
「どういう意味なんだ?」
教えられない。
これは、内緒の印。
「…ただの虫刺され。じゃあね。」
刺された時、チクッとした。
刺されたアト、チリッとした。
(残したアト)
(痛くて痛くて)
(けど)
(消せないんだ。)
.
最初のコメントを投稿しよう!