短編たち

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[※ヒバツナ・ツナ死亡] 『恥の多い生涯を送ってきました。』 (人間失格) 綱吉の机から出てきた遺言にそう書いてあった。 そういえば、太宰治の本にも書いてたっけ。 遺言には『俺は人間失格なんだ。』と書いていた。 僕には彼のドコが『人間失格』なのか分からない。 いくら遺言を読んでも分からない。 だって、それしか書いてないから。 「…?」 机からもう一つの手紙が出てきた。表には、『雲雀さんへ』と書いてある。 ぺらっ 手紙を読んでみて、内容にびっくりした。 『俺はずっと雲雀さんの事が大好きでした。非道徳的感情だって分かってます。でも、気持ちを伝えないままはグルグルして気持ち悪いと思ったんです。こんな気持ちを持った俺は、人間失格です。』 さようなら、と。 ねぇ綱吉。非道徳的感情を持つことは、人間失格なのかい? それなら僕も、 (ずっと前から好きだった。) (通じなかった想い、非道徳的感情、) (僕らは、人間失格。) .
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