籠の鳥

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    ──キクも渚も下がり、時計の針は深夜2時を指していた。      眠れない…きっとお父様が帰って来ているから。 私は知っている、お父様の秘密を。 お母様の知らない秘密を私は知っている。      ベッドから体を起こし、ソーっと部屋の扉を開ける。     ──もう何度も見る光景なのに何度もまた確認してしまうのは、お母様に知られていないか心配になるから。  
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