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──ガチャ
「紅茶を飲みたいわ、キク入れて頂戴」
無駄に広い私の部屋。
たまに虚しさを感じる時がある。
だけどお父様達と過ごすぐらいなら、1人この広い部屋に居た方が気が楽。
紅茶を机に差し出すキクに、私は尋ねた。
「渚はまだ帰って来ないのかしら?」
「もう帰って来られてもいい頃ですけどね」
話している矢先、部屋の扉をノックする音が響く。
「お嬢様」
急いでドアをキクが開ける──そこに立っていたのは渚だ。
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