薔薇の似合う女

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  私が包み込むはずが、渚が私を抱き締めた。   息が出来なくなる程、強く抱き締めた渚の手は、震えながらも温かさがあった。   渚の鼓動は高鳴り、 "ドクドクドクドク" と休む暇のないぐらいの速さで私の胸へと刺激した。     「渚…大丈夫?何があっても、わたくしはあなたの味方よ」     暗闇で、渚の手が私の顔を上へと招く。   今まで何度も交わした唇…。 だけど何かが違う。 渚は渚でも、彼は泣いているのか…。   口に入る涙のしょっぱい味。   渚に言葉がなくても、辛い気持ちなのは伝わる。   キスで落ち着いてくれるのなら、私は何度でもキスをする。    
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