薔薇の似合う女

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    「ハァ、ハァ、大丈夫だよ、お嬢様、これで俺の物だ」     何度も激しく抵抗しても、 私は女。 草野は男。   力でかなうはずもなく、私は叫び声を出した。     「誰か!誰か来て!」     ドアの方へ助けを呼ぶ…。 しかし、助けなど来ず、そこに立っていたのは、お母様と渚だった。     お母様の笑みを忘れない…。 渚の立ち尽くす姿を忘れない…。     私は、倉野家と、渚に…裏切られた。     無抵抗になった私の中には、草野の分身が残った。     「これで、あなたは私の物。子供が産まれたら、何という名前にしましょうか?」     草野は笑い、部屋を後にした。  
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