薔薇の似合う女

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    シーツには、血が散乱し、まるでバラのよう…。   呆然と起き上がらない私を、立ち上がらせ、手錠を外したのは、渚だ。   新しいシーツで、身体を隠し、渚の肩につかまりながら部屋を出ようとした。     「もう貴方には、草野様しかいないのよ」     部屋を出る時言われたお母様の言葉…。   悲しさを通り越すと、涙は出ず、残るのは虚しさと、死にたい気持ちだけ。    
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