薔薇の似合う女

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    自分の部屋へ戻ると、お風呂の湯が張られていた。   シーツを投げ、急いでお風呂へ向かう。   すぐに全身を洗い、草野を洗い流す。 身体がヒリヒリするぐらい、何度もこすり、草野が消えるのを願った。     「お背中…流しましょうか?」     まるで何もなかったように接する渚。 今起きた出来事は、全て夢であって、私は悪夢から解放されただけなのか…。   ううん… この身体が全てを覚えている。     「いつ…草野と入れ替わったの?」   「お嬢様に目隠しした時です…」   「始めからそのつもりで、わたくしを草野の部屋へ…?」     お願い…違うと言って。 あなただけは、私を裏切らないって信じさせて。       「はい…申し訳ございません」    
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