風の便り

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  息の出来ない池の中で、意識が薄らぐ中、上空からは月の光が池を照らしていた。   ―私…死ぬんだ。     その時、何かが私を池から救い出した。 大きな、大きな手。 がっちりとした胸に抱き抱えられ、池の外へと…。   空気を思いきり吸い込む。 苦しかった…。 意識があと少しで消えていたのに…。 死ねなかった…。     「大丈夫か?!」     私を助けたのは、ケイタだった。 川に飛び込んだケイタは、私と同様水びたしで、呼吸も荒い。     「どうして助けたりしたの…?私は死にたかったのに…」    
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