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単3電池と何かの蓋らしき小型のプラスチック板。
何だか急に嫌な予感がして、再び目覚ましに目を向けると時間はまだ7時10分。
それは、1分経っても7時10分を表示していて、恐らく、いや十中八九、1時間経っても、7時10分と表示され続けるのだろう。
「……あぁぁぁあああ!!」
悲痛な叫びと共に充電器に刺さったまま携帯電話を手に取った。
――8時15分。
「ヤバッ!! もう8時すぎてる。遅れる!!」
さっきまでの眠気は何処へやら……。飛び起きたオレは風のように階段を下っていく。
「何でもっと早く起こしてくんなかったんだよ!!」
荒々しく服を脱ぎ捨てて、制服へと手を伸ばす。
「起こしたわよ。けど、あんたが、“うっさい。起こすな。寝る”ってまた寝ちゃったんじゃない」
……はい。全く記憶にございません。
「とりあえず、遅刻しちまうから、もう行くわ」
「ちょっと春輝。朝ごはんは?」
「もう食った。じゃ、行ってきまぁーす」
母がテーブルに視線を落とすと、そこには手付かずの朝食と一つのゴミ。
ウイダーインゼリー。いわゆる10秒メシ。
「……全くもう」
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