101人が本棚に入れています
本棚に追加
「ごめんなさい。ごめんなさい。
急いでて…怖くて…
遅れたから…」
焦っているのか慌てているのか、
よく分からない事を小さな声で言うと、
彼女は汚れたスカートの裾を
ポンポンと2回祓ってまるで逃げるかのように
足早に俺の前から姿を消した。
-…挨拶なら普通、
人の顔くらい見るもんだろぅよなぁ。-
顔も上げずに、
まして目も合わさずに去っていった彼女に
苛立ちとはまた違う何とも言えない感情が残った。
最初のコメントを投稿しよう!