ノウレッジ

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そう言いながら、サンタは一瞬手を離してくれた。 「金曜日の夜、何があるの?」 電車に乗ると、空いていたのでサンタと並んで座った。 「怜さんのライブがあるんだ。行かない?」 「そうなんだー!行く行く!絶対行く!!」 「良かった。それでさ…。」 「うん?」 「俺も…、2曲だけキーボードで参加するんだよね。」 「うそー!!」 金曜日になり、サンタと二人で、早めにクラブハウスへと向かった。サンタはいつになくカジュアルな格好で、髪型もワックスで決まっていた。 いつも以上に格好良いサンタを見て、私はドキドキが止まらなかった。 「なんか今日、かおりさん服装気合入ってるね。いつもに増して綺麗だから、緊張するんだけど。」 「えー!そっくりそのまま、その言葉お返しします!はは。」 クラブハウスに着き、怜さんに会った。クラブハウスは、私の予想をはるかに超えていた。 とても大きかったのだ。もっと、こじんまりしたところを想像していた。 怜さんはドラムを叩いて、音を確かめていた。 「おお、来たか。」 「怜さん、お久しぶりです。」
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