ノウレッジ

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『会場の皆様、おまたせいたしました。まもなく、ノウレッジライブ「春の響」開演です。』 ライブが始まる。私は響子に連れられ、一緒に最前列に潜り込んでいた。 会場には、人が溢れていた。 「かおりの彼氏って、もしかして佑人って人?」 「そうだけど、なんで名前知ってるの?」 「たまにライブでキーボードやってるからさ。格好良いよね!彼氏だなんて羨ましい~。因みに、キーボードが入るのは『you』と『さよなら』って2曲のバラードバージョンだけ。たまにしか披露しないんだ。」 「へぇ。さすがファン。詳しいね!」 「今度CD貸してあげる。」 「はは。よろしく。」 ライブが始まり、響子と私はのりのりで盛り上がった。 ノウレッジは本当にすごかった。聞いている人の気持ちを高揚させる、不思議な魅力で溢れていた。 私は、ライブ中曲を聴きながら、響子の中学時代を思い出していた。 (本当にアホだったよなぁ、響子。) 色々なことを思い出しているうちに、私はふと「みち」のことを思い出した。 中学時代、「みち」と色々なことをした。「みち」は、いつも想像を絶する行動を起こした。そういえば、こんな風なライブにも、突然来たことがあったっけ。
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