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「ん、なんかキツいな。俺学ランなんて初めて着たよ」
「じゃあ上外せばいーじゃん。」
「そっか」
TS学園の真新しい制服を着て寮を出る。
もう少しゆっくりしていても十分間に合うのだが、職員室の場所をまだ把握出来ていないので丹羽に教えてもらうことにした。
綺麗に整備された校舎までの道を2人並んで歩く。
「そーいや、なんで昨日あんなとこにいたんだよ?」
「あ?あー…彼処は俺のお昼寝場所なんだよ」
「彼処ってあの木がか?」
「うん。日当たりもいいし、先生にはバレないから最高のお昼寝場所なの。んで、ちょっと用を思い出して急いで飛び降りようとしたら…」
「丁度俺がいて、お前のクッション代わりにされたってとこか」
嫌みたらしく言いながら腰をさする。思い出したらまた痛くなってきたかも…。
「悪かったって…!
ずっと気になってたんだけどさ…秋田ってやんきぃ?」
「はあ!?」
「嫌…だって、金髪だし、ピアスしてるし、目付き悪いし。よく此処に来れたよね」
俺の姿を見ながら言う丹羽。
まぁ。そーだよな。
「……まぁ、いろいろあんだよ。」
まだ丹羽には悪いが言えない。
ばつが悪そうに顔を背ける俺を見て丹羽は「そっか」と言うだけだった。
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