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「なげかわしい。今の若いもんはダメじゃ。もちっと古きよき名前の子供はおらんか」
「はあ……。では」
3D映像がぶれて、別の赤子が現れた。
名前は『五百子』。
「500……。何が500だ?」
「『子』が付いとるんだから、『500人の子供を産む子』じゃろ?」
紫ローブがへらへらすると、
「バカを言うな。そんな人間おるか」
緑ローブがたしなめる。
「だが何かのう……寿命でなし」
「当たり前じゃ。ここはひとつ、幸せでどうかの?」
「幸せが500回は、少なくはないか」
「うーむ」
「『よく五百円玉を拾う子』ではダメか?」
「そりゃおかしい」
5年後、日本のある北の町にて。
「お母さ~ん!見て見て、また拾ったの~!」
「あらあら、五百子は本当によく五百円玉を見つけるわねえ」
「うん!」
名前を付ける時は慎重に……。
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