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肩を落としていると、男が振り返った。 再びビクッと肩を揺らしたあたし。 先ほどのように、にやりと笑うと、口パクで何かを言った。 "へ ん た い" そして今度は綺麗に微笑み、前を向いた。 「…あ、あり得ない…」 自分もあり得ないけど、 あの男… あたしを変態呼ばわりしやがった。 いや、周りから見たら変態かもしれないけど? 見たくて見たわけじゃないし? 第一、こんな道なんかでキスしてるあの人たちも悪いじゃない! この路地裏なかなか人来ないけど? とにかくー! あたしは変態なんかじゃない! うん、そう! ……てゆうか、こんなことしてる場合じゃない。 「っ学校!入学式!ぃいやあー!」 そう思った途端に、あたしの足は勢いよく前にでた。 なんなのよー… なんて思いつつ、学校へ急いだ。 _
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