68人が本棚に入れています
本棚に追加
─────
「逞あ?」
「ん?」
「女の子、あたしらのちゅー見てたよね!まじウケる!あはは。」
隣で亜季は大爆笑。
だからバカは嫌いだ。
不愉快…
「…離れろ、クズ。」
先ほどの声とは比べ物にならないくらいに、ドスの効いた声で言った。
亜季は少しビクッとしたが、直ぐにふふっと笑った。
「はいはい。また違う女と遊ぶんでしょ?」
「お前に関係ないし。お前も違う男と遊ぶんだろ?」
「あったりまえー!あ、もう校門ね。じゃあね、逞!」
ヒラヒラと俺に手を振り、亜季は昇降口へと姿を消した。
「…くだらね…」
こんな生活、本当はうんざり。
生きている意味さえ、感じられない。
だから、その時を楽しむ。
後先なんて関係ないし。
「ふあー…ねみいな…」
たらたらと昇降口に向かっていると、横を凄い勢いで誰かが通り抜けていった。
「あ、さっきの変態女じゃん。」
ぽつりと独り言のつもりで言った。
が、何故か前の女は足を止め、俺のほうに振り返った。
「お言葉ですが、あたしは全く持って、変態などでは御座いません!…失礼します!」
それだけ凄い勢いでいい、再び昇降口に向かって走り出した。
「…なにアイツ?めっちゃ気になる…クク」
あの校章の色は、新入生だな。
「…ターゲット決定ー♪」
今日1日、楽しくなりそうだ…
_
最初のコメントを投稿しよう!